イングランド北西部にある湖水地方は、その雄大な自然の美しさが人気で、日本からも多くの観光客が訪れます。ロンドンから鉄道で行く場合に到着するウィンダミア湖の周辺は、湖畔のボウネス・オン・ウィンダミアが湖の観光や行楽の中心で、この地方の魅力を充分に楽しませてくれます。さらに奥の方には、ケズィックの町に近いダーウェント湖など、幾つもの感じの良い町や湖があって、その魅力はつきません。
イングランドにはほとんど高い山がありませんが、湖水地方は例外です。氷河期に形成されたと言われる、かなり険しい山々が連なり、それらの谷間に数多くの湖が散在しています。一般の観光ルートを離れて、これらの山岳地帯を車で走ってみると、その荒削りの険しい自然の表情に驚かされます。
イングランドの西隣りのウェールズも、山の多い景色が広がります。特に北部の山々は険しく、どことなく湖水地方に似ているように思えます。ウェールズの中部から南部にかけての山々は、次第に表情が柔らかになりますが、所々に昔の鉱山の跡もあり、観光用に公開されている所もあります。そして自然に出来た湖の他に、人工の貯水池も意外と数多く、これらもまた美しい景色を見せてくれます。
スコットランドの3分の2を占めるハイランド地方も、山と湖の多い地域です。ネッシーで有名なネス湖と、そのほとりに佇むアーカート城の廃墟は、神秘的な雰囲気に溢れています。さらに西に車を走らせると、雄大な山岳地帯の景色が次々と現れ、そこを下った所の湖には、ロマンチックなアイリーンドナン城の古城が浮かんでいます。
その道をさらに西に進むと辿り着くスカイ島は、複雑に入り組んだ地形や変わりやすい天気が、自然の険しい表情を見せてくれます。ロンドンからやって来ると、ここは地の果てと言うより、(本来の意味は違いますが)まさに空に浮かぶ島の雰囲気です。
シリーズ第6弾は「山と湖に見る夢」と題して、ロンドンから少し遠い地域の、ちょっと険しい風景を22枚集めてみました。いずれも気軽に行ける場所ではないため、かなり古い写真が多くなってしまいましたが、撮影してから長い年月を経ることによって、逆に心の中で醸成されたものもある気がします。古い写真ほど、多くを語ってくれるのかもしれません。
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